Vercelの制限が気になるエンジニア向けに代替サービスを徹底比較。Cloudflare Pages、Netlify、Railway、Fly.io等を料金・機能・制限で比較し、特にCloudflare Pagesの優位性を実体験ベースで解説します。
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Vercel代替サービス比較 — 無料ホスティングの最適解はCloudflare Pages?【2026年版】

Vercelの制限が気になるエンジニア向けに代替サービスを徹底比較。Cloudflare Pages、Netlify、Railway、Fly.io等を料金・機能・制限で比較し、特にCloudflare Pagesの優位性を実体験ベースで解説します。

#Vercel#ホスティング#Cloudflare Pages

Vercel の制限が気になり始めたら — 代替サービスを検討すべきタイミング

「Vercelの帯域制限に引っかかった」「商用利用にはProプランが必要と知って驚いた」 そんな経験をしたエンジニアは少なくないはずです。Vercelは素晴らしいサービスですが、用途によっては他のサービスの方が適していることがあります。

Vercel は Next.js との統合や優れた開発体験で人気のホスティングサービスです。しかし、以下のような制限があります。

Vercel の主な制限(Hobbyプラン)

項目制限内容
商用利用不可(Proプラン $20/月が必要)
帯域幅100GB/月
Serverless関数の実行時間最大10秒(Hobbyプラン)
チームメンバー1人(個人のみ)
同時ビルド1
ビルドタイムアウト45分
デプロイあたりのファイル数10,000

特に商用利用の制限は見落としがちなポイントです。個人ブログや学習用プロジェクトなら問題ありませんが、副業や小規模ビジネスで使う場合はProプランへのアップグレードが必要です。


代替サービスの比較一覧

Vercelの代替となるサービスを、重要な観点で一覧比較します。

基本スペック比較

サービス無料枠の帯域商用利用ビルド時間カスタムドメインサーバーサイド
Vercel (Hobby)100GB/月6,000分/月Serverless
Cloudflare Pages無制限500回/月Edge (Workers)
Netlify100GB/月300分/月Serverless
Railway100GB/月$5クレジット内コンテナ
Fly.io160GB/月コンテナ
Render100GB/月コンテナ
GitHub Pages100GB/月

注目ポイント

上の表で特に目を引くのは、Cloudflare Pages の帯域無制限と商用利用可能という組み合わせです。他のサービスが100GB前後で制限をかけている中、Cloudflare Pages だけが無制限を提供しています。


Cloudflare Pages — Vercel代替の最有力候補

なぜ Cloudflare Pages がおすすめなのか

Cloudflare Pages は、このサイト(ToolCraft Lab)でも実際に使用しているホスティングサービスです。Vercelからの移行先として特におすすめする理由を、実体験ベースで解説します。詳しい設定手順はCloudflare Pages完全ガイドにまとめています。

理由1: 帯域幅が無制限

Vercel の Hobby プランは月100GBの帯域制限があります。個人ブログならまず超えませんが、画像が多いサイトやアクセスが伸び始めたサイトでは意外と早く上限に達します。

Cloudflare Pages は帯域幅が完全に無制限です。どれだけアクセスが増えても追加料金が発生しません。

帯域の比較シミュレーション:
1ページ平均 500KB、月間10万PVの場合

Vercel:  500KB × 100,000 = 50GB(上限の半分を消費)
Cloudflare: 500KB × 100,000 = 50GB(無制限なので余裕)

月間50万PVになった場合:
Vercel:  250GB → 上限超過(Proプラン $20/月が必要)
Cloudflare: 250GB → まだ無料

理由2: 商用利用が無料プランで可能

Vercel の Hobby プランは非商用限定ですが、Cloudflare Pages の Free プランには商用利用の制限がありません。副業サイト、ポートフォリオ、小規模ECのフロントエンドなど、どんな用途でも無料で使えます。

理由3: グローバルCDNで高速

Cloudflare は世界300以上のデータセンターを持つCDNプロバイダーです。Cloudflare Pages にデプロイしたサイトは、自動的にこのCDNで配信されます。

応答時間の比較(東京からのアクセス):
Vercel:           ~50ms(東京リージョンあり)
Cloudflare Pages: ~20ms(Cloudflareの東京POP)
Netlify:          ~80ms(CDNノードの配置による)

理由4: Workers との連携でサーバーサイドも対応

静的サイトだけでなく、Cloudflare Workers を使えばサーバーサイドの処理も実装できます。

// Workers でのAPI実装例
export default {
  async fetch(request: Request, env: Env): Promise<Response> {
    const url = new URL(request.url);

    if (url.pathname === "/api/hello") {
      return new Response(JSON.stringify({ message: "Hello!" }), {
        headers: { "Content-Type": "application/json" },
      });
    }

    return new Response("Not Found", { status: 404 });
  },
};

理由5: D1・KV・R2 で本格的なアプリも構築可能

Cloudflare はデータストアも充実しています。

サービス用途無料枠
D1SQLiteベースのリレーショナルDB5GB、500万行読み取り/日
KVKey-Value ストア100,000読み取り/日
R2オブジェクトストレージ(S3互換)10GB、100万リクエスト/月
Durable Objectsステートフルなエッジコンピューティング有料($0.15/100万リクエスト)

Vercel → Cloudflare Pages の移行手順

実際にVercelからCloudflare Pagesに移行する手順を解説します。

Step 1: Cloudflare アカウントの作成

Cloudflare でアカウントを作成します。クレジットカードの登録は不要です。

Step 2: プロジェクトの接続

# 方法1: Cloudflare ダッシュボードから
# Pages > Create a project > Connect to Git

# 方法2: Wrangler CLI から
npm install -g wrangler
wrangler login
wrangler pages project create my-project

Step 3: ビルド設定

フレームワークごとのビルド設定例です。

# Next.js
ビルドコマンド: npx @cloudflare/next-on-pages
出力ディレクトリ: .vercel/output/static

# Astro
ビルドコマンド: npm run build
出力ディレクトリ: dist

# Vite (React/Vue)
ビルドコマンド: npm run build
出力ディレクトリ: dist

Step 4: 環境変数の移行

Vercelで設定していた環境変数をCloudflare Pagesに移行します。

# Vercel の環境変数を確認
vercel env ls

# Cloudflare Pages に設定
# ダッシュボード > Pages > Settings > Environment variables
# または
wrangler pages secret put SECRET_KEY

Step 5: カスタムドメインの設定

# Cloudflare にドメインを追加
# ダッシュボード > Websites > Add a Site

# DNS設定
# Pagesプロジェクト > Custom domains > Add custom domain

Step 6: Vercel のプロジェクトを削除

移行が完了し、動作確認ができたら Vercel のプロジェクトを削除します。

⚠️ 注意: DNS の伝播に最大48時間かかる場合があります。移行完了の確認が取れるまでVercelのプロジェクトは残しておきましょう。


Netlify — Vercel の対抗馬

Cloudflare Pages 以外の選択肢として、Netlify も有力です。

Netlify の特徴

項目内容
月額料金無料(Starter プラン)
帯域幅100GB/月
ビルド時間300分/月
サーバーレス関数125,000回/月
フォーム100送信/月
商用利用✅ 可能

Vercel との比較

観点Vercel (Hobby)Netlify (Starter)
商用利用
帯域100GB/月100GB/月
ビルド時間6,000分/月300分/月
Serverless関数100GB-時間/月125,000回/月
フォーム機能✅(100送信/月)
Next.js最適化
プレビューデプロイ

Netlify はビルド時間が300分/月と少なめですが、商用利用可能で、フォーム送信機能が標準搭載されている点が魅力です。


Railway — バックエンドが必要な場合

Vercel の Serverless Functions の制限(実行時間10秒、コールドスタート)が問題になる場合、Railway が代替になります。

Railway が向いている場面

✅ Railwayが向いている
- 長時間実行のバックグラウンド処理
- WebSocketを使ったリアルタイム通信
- データベース(PostgreSQL、MySQL、Redis)が必要
- Dockerベースのカスタム環境

❌ Vercelの方が向いている
- Next.js アプリの静的サイト + ISR
- シンプルなAPI(実行時間10秒以内)
- フロントエンド中心のプロジェクト

Fly.io — グローバル分散が必要な場合

Fly.io が向いている場面

Fly.io はアプリケーションをユーザーに近いリージョンで実行するのが得意です。

✅ Fly.ioが向いている
- グローバルなユーザーベース
- Dockerコンテナのデプロイ
- PostgreSQLを含むフルスタックアプリ
- リアルタイムアプリ(低レイテンシが重要)

❌ 他のサービスの方が向いている
- 静的サイトのみ → Cloudflare Pages
- Next.js中心 → Vercel or Cloudflare Pages
- 設定を極力減らしたい → Railway

GitHub Pages — 最もシンプルな選択肢

静的サイトだけで十分な場合、GitHub Pages も選択肢に入ります。

GitHub Pages の特徴

項目内容
月額料金無料
帯域幅100GB/月
ストレージ1GBまで
カスタムドメイン
HTTPS
サーバーサイド
商用利用

GitHub Pages が向いている場面

  • ドキュメントサイト: VitePress、Docusaurus等
  • 個人ポートフォリオ: シンプルな静的サイト
  • OSS プロジェクトのサイト: リポジトリと一体管理

💡 Tips: GitHub Pages は最もシンプルですが、サーバーサイドの処理やビルド時のカスタマイズには限界があります。「静的サイトだけど高機能に使いたい」場合は Cloudflare Pages がおすすめです。


実体験レポート — Cloudflare Pages で運用して感じたこと

このサイト(ToolCraft Lab)は Astro + Cloudflare Pages で運用しています。実際に使って感じたメリットとデメリットを正直にレポートします。

良かった点

  1. 速度が体感で分かるレベルで速い: Lighthouse のパフォーマンススコアが常に95以上
  2. 帯域を気にしなくて良い: 記事がバズっても追加料金ゼロ
  3. Git連携が快適: mainブランチにpushするだけで自動デプロイ
  4. カスタムドメインの設定が簡単: Cloudflare DNS を使えば数クリック
  5. 無料SSLが自動: 何も設定しなくてもHTTPS化される

注意が必要な点

  1. Next.js の一部機能が非対応: ISR や Image Optimization に制限がある
  2. ビルド回数に制限: 無料枠は500回/月(通常の開発では十分)
  3. Workers の学習コスト: Edge Runtime は Node.js と完全互換ではない
  4. ログの確認が手間: Vercel のようなリッチなログビューアーはない
  5. プレビューデプロイのURL: Vercelほど直感的ではない

コスト比較(実際の運用)

このサイトの月間コスト:

Cloudflare Pages: $0/月
├── ホスティング: 無料
├── 帯域: 無料(無制限)
├── SSL: 無料
└── CDN: 無料

もしVercel Proを使っていたら: $20/月
├── Proプラン: $20/月
├── 帯域: 1TB含む
└── 超過分: $40/100GB

年間の差額: $240

ユースケース別の最適解

個人ブログ・ポートフォリオ

おすすめ: Cloudflare Pages

帯域無制限、商用利用可能、完全無料。Astro、Hugo、Next.js(SSG) など主要なフレームワークに対応しています。

Next.js アプリ(SSR/ISR使用)

おすすめ: Vercel Pro または Cloudflare Pages(@cloudflare/next-on-pages使用)

Next.js のフル機能を使いたいなら Vercel Pro が最も安定しています。コストを抑えたいなら Cloudflare Pages での運用も可能ですが、一部機能に制限があります。

フルスタックアプリ(DB必要)

おすすめ: Railway または Fly.io

データベースを含むアプリケーションは、PaaS系のサービスが適しています。

チーム開発プロジェクト

おすすめ: Vercel Pro または Netlify Pro

チーム向けの管理機能、アクセス制御、プレビューデプロイのコメント機能などが必要な場合は、有料プランのVercelまたはNetlifyが適しています。


まとめ — Vercel代替は用途で選ぶ

Vercelは優れたサービスですが、唯一の選択肢ではありません。用途に応じて最適なサービスを選ぶことで、コストを抑えながら同等以上のパフォーマンスを得られます。バックエンド側のホスティングも含めて検討したい方はHeroku代替サービスまとめも参考にしてください。

本記事のポイント

  • Cloudflare Pages は帯域無制限・商用利用可能で、Vercel代替の最有力候補
  • Netlify は商用利用可能でフォーム機能が標準搭載
  • Railway / Fly.io はバックエンドが必要な場合に最適
  • GitHub Pages は最もシンプルだがサーバーサイドは非対応
  • 実体験として、Cloudflare Pages への移行で年間$240のコスト削減を実現

まずは今のVercelプロジェクトの使用状況(帯域、商用利用の有無、サーバーサイド機能の必要性)を確認してみてください。多くの場合、Cloudflare Pages への移行でコストゼロのまま運用を続けられるはずです。